As well be hanged for .....
第3章 仕事は真面目に 趣味はほどほどに
「ティーとクッキーをお持ちいたしました。」
慎ましやかに待っている訳の無い二人のテーブルに、コトリ、コトリ。と紅茶の準備を進めていくセバスチャン。
小さな戦争を勃発させている二人の間に、セバスチャンが「あぁ。」と声を上げる。
「なんだ。」
「えぇ。お嬢様にお手紙が届いているのでした。」
どうぞ。と、懐から取り出した一通の白い封筒。
シエルが昔よくよく見ていた物とは少し違ったが、ウリエが受け取った物はすぐにそれとわかる物だった。
ウリエは躊躇することなく封を開け、中身の手紙を取り出し開く。
「仕事、ね。」
「内容は?」
「どうぞ。」
説明を求めたシエルにウリエは手に持っていた手紙をそのまま渡した。
それは、契約した悪魔との間に秘密は作らない主義だからなのか、はたまた、心を許せる数少ない友人だからか。
目を通したシエルはその手紙をウリエではなく、テーブルをセットし終えたセバスチャンに手渡した。
ウリエはとっくの間にクッキーを頬張っており、シエルはウリエに一枚足りと多く食べさせまいとして、自分も手を伸ばす。
「昔で言う阿片堀の様なところでしょうか。」
「うん。たぶんそうね。今では阿片なんてほとんど出回らないけれど。」
「最近だと、大麻、か?」
「そうそう。それが一番リーズナブルじゃないかしら。」
初心者から常習者までいるわよ。と、まるで有名な美容室の話でもするかのよう。
昔で言う阿片堀。
今でいえば、大麻や覚せい剤を売買したり楽しんだりするサロンのような所の事。
昨今、そう言う場所がある事を一般の人間も知っていて、興味本位や友人知人に誘われて、そのような場所に出入りする人間が絶えない。
だからサロンは無くならないのだし、大麻や覚せい剤が横行するのだ。
ウリエが簡単に言ってしまうのも頷ける。