• テキストサイズ

As well be hanged for .....

第10章 女は投げやりに 男は完璧に 後篇




「別に。お前の姉は、もしかしたら。と思って。」
「なぁんだ。シエルも同じこと考えてたのね。」

悲しそうに笑って背もたれに背中を戻す彼女。
自分よりも表情が豊かでお気楽なウリエ。
何となくそうではないかと予想している真実を知って、このままでいられる訳がない。とセバスチャンに出会う前の自分を思い出す。

『貴方とお嬢様では状況が違いすぎます。』
『あなたや私までもいなくなってしまうのではないかと。』

最初から何も持っていなかったシエル。
どんどん失って行くウリエ。
前にウリエを傷つけてしまった時のセバスチャンの言葉が頭に響く。
何もなくなってしまった時、彼女は一体どうなってしまうのだろうか。

「シエルって意外と優しいよね。」
「は?」
「だって、怖い時とか寂しい時とか一緒にいてくれるじゃない。」
「それは、お前が……」

僕はこいつの執事でも何でもない。
ただ、そうしたら彼女が喜ぶのではないかと思って…。



/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp