As well be hanged for .....
第10章 女は投げやりに 男は完璧に 後篇
セバスチャンは彼女に手紙とペーパーナイフを渡してすぐ玄関に来客があり、急いで対応する。
どちらさまで?と扉を開けると、ソファーほどありそうな大きさの木箱を抱えた4人ほどの配達員。
随分重たそうなものだ。
差出人には女王陛下の名前、受取人はウリエフェンベルグとなっていた。
リビングにこのサイズは狭いだろう。と客間に荷物を置き、リビングへ戻る。
さっきの手紙は女王からの物だったから、あの荷物の事が書かれているのだろうと思い、お嬢様お荷物が。とリビングに顔を出した。
「どうかされましたか?」
「荷物が届いてなかったか?セバスチャン。」
「えぇ今。客間に置きました。」
稀に見る主の真剣な顔。
その前にいるウリエは手紙を持って固まったまま、涙をぼろぼろと流している。
シエルはセバスチャンを押しのけ慌しく客間へと駆けていく。
いったい、何があったと言うのだろうか。
「お嬢様?」
ウリエに問いかけると、ぐい。と手紙を押しつけられた。
そして、彼女もシエルの後を追う様にフラフラとリビングを出ていった。
何が書かれていたのだろうか。とセバスチャンも手紙に目を通し、驚愕した。
あぁ。
人間とはどこまで愚かな生き物なのだろう。