As well be hanged for .....
第9章 女は投げやりに 男は完璧に 前篇
「ふ、不勉強で申し訳ないのですが。お嬢様。ワルツはあるのでしょうか?」
「…ないわよ。まさかセバスまで知らなかったとは。」
「何で言わなかったんだ!」
「聞かれなかったし、知ってると思ったからよ!」
シエルもウリエも、ダン!ダン!とテーブルに拳を打ちつけ戦闘態勢。
その横ではセバスチャンがタブレットを引っ張りだしてきて、現代のパーティーとは?を調べている。
「だったらさっさと教えてくれればよかったんだ!」
「シエルが知らなかった事を知らなかったって、言ってるでしょ!」
いつの間にか大規模な戦場と化すダイニング。
さすがに食べ物を投げるというはしたない事にはならなかったが、テーブルに飾られていた花や、使いきりのマーガリンやジャムたちはそこらに散乱していた。
ようやく我に返ったセバスチャンによって止められ、シエルは現代におけるパーティーの定義の勉強、ウリエは夜のパーティーへ向けて衣装選び、と各々大人しく準備に取り掛かっていた。