As well be hanged for .....
第8章 閑話休題
顔を赤らめ、上目づかい。決死の覚悟で自分の思いを伝えた。と体中で表現せんばかりだ。
「セバス、好き。」
「え、あ。その…お嬢様?」
「好き。」
シエルは思わずつまむ振り子を落としてしまった。
さすがのセバスチャンもビシリと固まったまま、頭のネジが外れてしまったウリエと開いた口がふさがらないシエルの間を目が行き来している。
「大好き。」
「ぼぼぼぼぼぼっちゃん!催眠術、催眠術を!」
セバスチャンがビシィ!と指さす先にはシエルが落とした振り子。
シエルは慌てて振り子を拾い、セバスチャンを見つめたまま動かないウリエの目の前で無理やり振り子を振る。
「あ、あなたは段々眠くなる!あなたは段々眠くなるっ!」
「いいです!ぼっちゃんその調子!」
「あなたは段々、ぎゃぁ!」
「ぼっちゃーーん!」
一瞬のうちにウリエに組み伏せられるシエル。
催眠術にかかったウリエが、セバスチャンから標的をシエルに変え、ぐりん!と操り人形のようにシエルに振り返り、そのまま押し倒した。
シエルとウリエの力の差は歴然……。
「シエルぅ。」
「セ、セバスチャン僕を助けろぉおお!」
シエルの目前にウリエの唇が近づく。
セバスチャンは思い掛けないウリエの行動に頭も体もついて行かない。
けれど、このまま坊ちゃんは食べられてしまうのでしょう。と冷静に判断している自分がいた。
「やめろウリエ!ウリエーー!」
「シエルー。」
「ああぁああああ!」