As well be hanged for .....
第8章 閑話休題
「セバスチャン、なんで鳥にした。」
二人の目前には、はしたなくテーブルにうつぶせになり、両腕を翼に見立ててパタパタと一生懸命動かしているウリエ。
時折、ぴー!と甲高い声を発している。
「すみません。もう少し考えるべきでしたね。」
エアコンが動き涼しい部屋のはずなのに、シエルとセバスチャンの頬には汗が流れる。
「ぼっちゃん。普通に眠くなるようにするのは如何でしょう?」
「そうだな。そうしよう。」
ウリエのことだ、簡単に眠ってさっと起こせば元通りになるだろう。
シエルは落ち着いて、振り子をつまみ彼女の顔の前でふる。
「あなたは段々眠くなる、あなたは…おい、ウリエ?」
「お嬢様?」
突然、鳥になっていたウリエが動きを止め、正気に戻ったのかストンとテーブルを降りる。
乱れた服の裾を直し、つかつかとセバスチャンの元へ近付く。
びたり。とセバスチャンの前に立ち止まって見上げ、一言。
「好き。」