As well be hanged for .....
第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編
「セバスチャン。あれは何だ。」
「子供の臓器売買ですね。ですが、随分用意周到でした。」
ハウスに戻り、汚れた服を着替えながらようやくシエルは話を切り出した。
ウリエもとっくに綺麗にされ、リビングの目に付く所で眠っている。
セバスチャンはシエルのシャツのボタンを留めながら、話を続ける。
「プレハブはどこのものか分からないようにしてありましたし、犯人達はあぁやってピエロの格好をする事で、顔やその他の証拠を残さないようにしていました。」
「他には?」
「子供たちの臓器を運ぶ手段も、車、バイク、自転車、徒歩。と様々に準備していました。バラバラのルートで手分けして運び、一手に集合して運ぶ算段でしょう。追う事は可能でしたが、お二人の方が先決でした。」
シエルの支度が整い、セバスチャンはシエルから離れていく。
汚れた服を集めに掛かっているセバスチャン。
次はきっと紅茶と茶菓子を準備しに行くのだろう。
「セバスチャン。」
「はい。」
小言は無しか?という言葉を飲みこんだシエル。
別に期待していた訳ではない。
けれど、自分が非力であることを肯定されているようで悔しい。
「ぼっちゃん。私はあなたの剣であり盾でもあるのです。ですから、私は貴方の強さです。貴方は堂々としていればいいのですよ。」
私の手を煩わせる。それでいい。
どれだけ時が過ぎようとも、褪せる事の無いシエル・ファントムハイヴが欲しい。