As well be hanged for .....
第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編
セバスチャンの指を指す方、ウリエの背中の向こうには怪しげなプレハブ。
ウリエは躊躇なくそのプレハブの扉を開けて、中へ消えていった。
人の気配はありそうだ。
「セバスチャン。僕はウリエの後を追う。お前はあそこが何かを調べて、僕らを助けに来い。」
「御意、ご主人様。」
シエルはウリエを習って、プレハブへと足を踏み入れた。
中に入るとそこは遊園地の延長のようで、子供じみた装飾に楽しげな音楽、数人の子供。
その中にウリエの姿もある。
ピエロの格好をした大人が三人。子供をあやしている様子ではない。
すす、とウリエの側によりその手を掴む。
「シエル。」
不抜けた笑みを浮かべるウリエに眉を寄せそうになったが、周りの子供に合わせ無理やりへにゃりと笑った。
「ワンダーランドへようこそ!」
唐突にピエロがピエロらしく、両手を広げ不気味な笑みを浮かべ、子供たちを歓迎する。
「さぁ!君たちは、ピエロのため!世の中のため!中の物をごそっとだしなさーい!」
滑稽とは程遠い、物騒なものを後ろから取り出す。
ウリエを含む子供たちは、そんな物騒なものを持っている滑稽なピエロに怯えることなく、わぁわぁと駆け寄る。
シエルも後れをとることなくピエロに近づき、ウリエを確保し、怪しまれないようゆっくりと最後尾に付く。