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As well be hanged for .....

第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編




「うーん……トイレ。」

ムクリ。と突然ウリエが起き上がり歩きだす。
シエルはそれを見送り、セバスチャンが静かに動きだすのを待った。
彼女の向かった先は室内、庭ではなかった。

セバスチャンがウリエを追って室内に入ったのを見計らい、シエルも二人の後を追う。
ポケットの中の懐中時計を開く。
あのCMを見てから1時間半。

「セバスチャン、ウリエは?」
「自室です。」

彼女の入って行った扉を薄く開け、セバスチャンが中を観察し続けている。
いつ、彼女は動きだすのだろうか。

「来ます。」

ぐい。とセバスチャンに引っ張られ、柱に隠れる。
ウリエは幸いシエル達に気が付くことなく、お出かけ用の帽子を被り玄関へ向かって歩く。

「トイレ、ではなさそうだな。」
「ですね。」
「追うぞ。」
「はい。」

るんるんと上機嫌なウリエ。
玄関を出て、街へと歩く。

ここから、あのCMの遊園地までは歩いて行くには遠すぎる。
何処へ行くのだろう。と後を追いかけ続けると、シエル達は大通りに出た。

バスに乗るようだ。
見失わないように、シエルとセバスチャンもバスに乗り込む。

「お嬢様はバスの乗り方を知っておられたのでしょうか?」
「さぁ…。」

バスに乗ること自体初めての二人は、静かに慌てふためきながらなんとか乗ることに成功した。
前を行くウリエは迷うことなくバスに乗り込んでいた。
これも、マインドコントロールのおかげなのだろうか?
しばらく走り、ウリエ自ら降車ボタンを押してバスを降りる。
続いて二人も降りる。

「やはり、遊園地が。」
「いえ、そうでもなさそうですよ?」


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