As well be hanged for .....
第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編
「ぼっちゃん。如何ですか?」
セバスチャンは支度を済ませ、シエルとウリエの日傘や帽子を準備して戻ってきた。
「掛かっているが、今は変わりない。」
ウリエはすっかりサッパリ仕事のことなんか忘れて、紅茶とクッキーを楽しんでいる。
シエルもそれに付き合う様に、クッキーを手に取り齧る。
あのCMが流れるのは夕方から夜にかけてだとすると、すぐにいなくなると言うのは考えにくい。その時間帯はまだ両親の目が光っているはずだ。
予想では4時間から5時間後、就寝するような時間になるまでは普通に過ごしているのではと思う。
「セバスチャン。昼寝がしたい。」
「昼寝?…かしこまりました。お嬢様も?」
「えぇ。わかったわ。」
素直だ。素直すぎて普段だったら熱でもあるのかと疑うところだ。
シエルは、ウリエと一緒に寝る。と彼女の手を掴んで離さない。
セバスチャンは、一つからかって見たい衝動にかられたが、計画が失敗するのは元も子もないと、シエルに向かって笑みを浮かべるだけにとどめた。
お昼寝先に選んだのは、テラス。
前には庭が広がり、もし、出ていくなら庭を突っ切って出ていくだろう。
レジャーシートにふかふかのクッションをいくつも広げ、ウリエとシエルは横になる。
ウリエはいつの間にか寝息を立て、シエルは寝たふりを続行する。
セバスチャンは柱の影に気配を消して潜んでいる。