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As well be hanged for .....

第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編




「だぁーかぁーらっ!」
「いいえ、いけません。良いですかお嬢様。貴女はただの人間でございます。例の子供を操るかもしれない音を出しているコマーシャルを、貴女に見せる訳には行かないのです。」
「私、もうそんなに子供じゃないわ!」
「いいえ!子供です!」

いつも自分たちには、喧嘩をするな!と小言を飛ばしてくるセバスチャンが、ウリエと停止したテレビ画面の前で言い争っている。
と言うよりは、ウリエがわがままを言って折れないだけだが。

シエルはそんな二人を横目に見ながら、つまらなそうに録画機器の再生ボタンを押さないように弄る。

昨夜の揉め事の後、セバスチャンが気を効かせて2帯ほど、チャンネルを録画しておいてくれたのだ。
今、例のCMを見つけたため、再生してみようとしている所。
そこで、冒頭に戻る訳だ。

「もし!そのCMが当たりだったら一石二鳥じゃない!私が、操られて何処かに行く様子を二人が後を付けて来れば、子供たちの居場所がわかるし、犯人も締めあげられるわ。」
「ですから。それは危険すぎるのでいけませんと言っているのです。」

だいたい貴女は!とセバスチャンの長いお説教が始まろうとしている。
埒の明かない小競り合いにシエルは耐えきれず再生ボタンを押してしまった。

「あ!ぼっちゃん!」
「うるさいぞ二人とも。ウリエにもしもの事があったら僕が一緒に行く。そしたら、お前が助けに来い。」
「はぁ…ぼっちゃん。」

セバスチャンの小言が飛んでくる前に、例のCMの音量を大きくしてやる。

外にまで響きそうな音量のテレビに三人の視線は釘づけになる。

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