As well be hanged for .....
第5章 砂糖は多めに 塩は少なめに 後篇
朝までには戻ります。と言って楽しそうに部屋を出ていったセバスチャン。
残された二人は、セバスチャンの報告を寝て待つことにして、PCを片付ける。
「すごいわね、悪魔って。」
「……厭味か?」
「違うわよ。」
薄暗い廊下を、寝室までゆっくり歩いて行くウリエとシエル。
二人ぼっちの広い屋敷は少し心細い。
「シエルもあんな風になるのかなって。」
「さぁな。僕は僕だ。あぁ言う仕事はセバスチャンのやる事だ。」
ウリエの寝室の前で立ち止まる二人。
なかなか部屋の扉を開けないウリエに、シエルがわざわざ部屋の扉を開けてやる。
「明日、セバスチャンの報告を待とう。何かわかるから。」
「えぇ…。」
彼女の部屋からは、濃い彼女の匂いが漂ってくる。
部屋を間違えている訳ではないのに、ウリエの脚が進まない。
「シエル…あの。一緒に寝てくれない?なんか、怖くて。」
目を合わせれば喧嘩ばかりのウリエが、俯き年相応の少女のように懇願している。
「いいが。お前が寝たら僕は部屋に戻るぞ。」
「うん。」
人間としての年齢は彼女の方が上だが、生きて来ている年齢はシエルの方が上だ。
シエルには彼女の願いが酷く可愛らしく思えた。
もし、自分に弟か妹がいたのならこんな気持ちになるのかもしれない。と妙な優越感を覚える。
シエルはウリエをベッドに寝かせ、自分はベッドサイドの椅子に座る。