As well be hanged for .....
第4章 砂糖は多めに 塩は少なめに 前篇
「トーマス・ロヴィンソンと申します!伯爵のご令嬢にお目にかかる事が出来て光栄ですっ!」
びしっとウリエに向かって敬礼をするトーマス。
「やめろ、トーマス。バカ見たいだ。さぁ、お三方。次はご遺体の所へ案内しますよ。」
エドガーはウリエ、シエル、セバスチャンの三人を、品も礼もあったもんじゃない警察車両に案内する。
「申し訳ありません。主人たちをこのような野蛮な車に乗せる訳には参りません。車の準備はございますので、先導を頼めますか?」
すかさず口を出したのはセバスチャン。
エドガーは隠す事もせず嫌な顔を向ける。
「は。それは失礼致した。では、わざわざ私が運転する車で先導いたしましょう。」
どうやら、ウリエとシエルの執事であるセバスチャンと、ウリエを仕事仲間として扱うエドガーでは気が合わないようだ。
シエルとウリエは、喧嘩をするな。といつも小言を投げてくるセバスチャンが喧嘩腰でいることに、目を合わせてクスリと笑った。
「大人には大人のケンカのやり方があるのですよ。あなた達のじゃれあいとは違います。」
「言い訳にしか聞こえないな、セバスチャン。」
(砂糖は多めに 塩は少なめに 前篇)