• テキストサイズ

As well be hanged for .....

第4章 砂糖は多めに 塩は少なめに 前篇




「はて……。」

さすがのセバスチャンでも首を捻った。
似たような跡が無いか、とウリエはもくもくと部屋の中を観察する。
そうすると、シエルが見つけた丸い跡はいくつか部屋の中に散らばっていた。

丸い跡、左足だけの男、そのほかにも靴の跡がたくさんあり、今回の事件は複数犯であることがうかがえる。

「でも、どうしてこの一家が襲われたのかしら。それも、ぐちゃぐちゃになるまで顔を潰して、切り裂いて。」
「他の二件の被害者とは関係はありそうなのか?」
「家族構成が一緒。って言う所かしら。」

今回の被害者と、他の二件の被害者の家族構成は一緒で、父親、母親、姉、妹の4人家族。

他の現場も似たような惨劇で、家の中は血だらけ、めちゃくちゃに荒らされていて、金品が一切合財奪われている。
現場に残されているのは足跡のみで、靴からも犯人を特定するには難しいという状況。凶器の判定も、侵入経路も犯人達の手で隠され謎のまま。
同一犯による事件なのは見た通りわかる。

警察は、一切尻尾を掴ませない犯人グループに血眼になっていた。

「確かに。証拠がこれでだけでは、歯が立ちませんね。警察では。」
「家の中は他と変わり映えしないわね。」

もう一度ぐるりと家の中を見回してウリエは外へ出る。
外へ出ると三人を待っていたエドガーがすかさず声をかけてくる。
エドガーの隣には先ほどまでいなかった青年が一緒に居た。

「何か発見でも?」
「いえ。あなた達の目ほど私の目は肥えてないわ。そちらの方は?」
「あぁ、彼は私の助手。トーマス君だ。新人でね、お手柔らかにしてやってください。」

トーマス君。と言われた青年は、金髪のダンディなエドガーと違い、田舎によくいる若い男だ。
茶色い短い髪に灰の瞳、頬にはそばかすがあり背は高いがまだ若い事がうかがえる。


/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp