As well be hanged for .....
第22章 エピローグ
目覚めたらすべて忘れてしまっているのだろう。
長い長い夢だった。
もう、どんな物語だったのかは思い出せない。
何かに書きつけたらさぞ素晴らしい物語になったに違いないのに。
どんな夢だった?と聞かれても言葉で表すには難解だ。
けれど、そこにあった感情だけはなぜだかはっきりと胸の中に残っている。
喜び、恐怖、怒り。
ずっと見ていたかった、目覚めたくなかった。
しかし誰かが、容赦なく扉を叩きカーテンを開けるのだ。
「おはようございます。ぼっちゃん。」
「あぁ。」
「随分遅いご起床でしたね。とっくの間に待っておられますよ。」
「なぜ、起こさなかった。」
「起こすな。と頼まれましたので。」
「…あいつめ。」