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As well be hanged for .....

第21章 良き母はふしだらに 猫は不自由に 後編




ボディーガードの腕の下をくぐり、鈍く光る剣は女王の白のドレスに吸い込まれていた。
陶器のような白い顔、紅が溶けだしたように唇から赤が流れる。
白のドレスは秋晴れの夕焼けのように紅く紅く染められていく。
懐に素早く手を突っ込んだボディーガードは、胸に銀食器が刺さり倒れる。

「ぅぷ、ぱびー…わだじのぱびぃ」
「最後まで、私の名を呼んでくれる事はないのですね、ご主人さま。」

ウリエの剣に腹を貫かれ、その場で立ったまま絶命した女王。
ウリエに向かって伸ばしていた手は、だらりと下げられ、糸の切られた操り人形のようだった。
真っ直ぐに刺さった剣の柄から手を放せば、呆気なく女王はくずおれる。
そうして、クルリと振り返ったウリエの顔はすこし困ったような顔をしていた。

「自由って案外何していいかわかんないものね。」

どざ。と音が聞こえた方にはエドガーが腰を抜かして、地面にへたりこんでいた。

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