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As well be hanged for .....

第21章 良き母はふしだらに 猫は不自由に 後編




エドガーは彼女の母親に無遠慮に乗せていた足を引き、彼女の目の前に立ちはだかった事を言葉なく詫びる。
銃を下げ、ウリエと女王の間から身を避ける。

「バッキンガム爆破の件、申し訳ございませんでした。」
「……私を殺せと命を受けたの?」
「はい。トーマスがファシルの一団の者と知り、彼を利用して爆破いたしました。」

深く深くウリエに向かって頭を下げるエドガー。
誰が見ても敗者は明らかだった。

「しつけ、間違ったかしら?」
「……。」

女王の鋭い視線はウリエではなくエドガーに向けられる。
エドガーはその場に委縮し、頭を下げたまま微動だにする事はなかった。

「女王。」
「あぁ、パピー。やっぱり貴女は逸材だったわ。貴女のいうように『殺処分』は勿体ない。」
「申し訳ありませんが、私は保健所に行くつもりはありません。」

ウリエは母親を跨ぎ、右手に光る剣を握りしめ、一歩一歩と女王に近づく。
今まで黙って側に控えていたボディーガードが、腕を伸ばしウリエが女王に近づく事を阻む。

「では、ずっと私の側にいてくれるのね?」
「いいえ。」

誰も、ウリエがその右手を前に差し出した事に気が付かなかった。

「貴女はきっと過去の遺物と共に、深く暗い牢獄に入れられる事でしょう。」
「…ぅぐぷ」
「私はもう、自由の身になるのです。」
「パビィィイイイ!」


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