• テキストサイズ

As well be hanged for .....

第4章 砂糖は多めに 塩は少なめに 前篇




また一件、事件が起きた。
ここ数日メディアを騒がせている事件だ。
ニュースで詳細が語られる事は無く、この町の善良な市民は夜な夜な不安に駆られている。

「お行儀が悪いですよ。お嬢様。」
「うん…。」

セバスチャンのお小言に上の空で返事を返すウリエ。
彼女の手には、今朝届けられたばかりの新聞と、朝食のために焼かれたサクサクのクロワッサン。

最近の彼女の感心事と言えば、巷を騒がせている『連続、一家惨殺事件』

この所、この屋敷では大規模な喧嘩は起きておらず、セバスチャンが図らずとも、シエルとウリエが仲良くこの事件の事を調べているのだ。

「あ!返してセバス!」
「いけません。食事がお済みになってから読んでください。」

セバスチャンの手によって取り上げられた新聞は、あっという間に彼女の目に付かない所へとしまわれた。

むくれるウリエを澄まし顔で見ていたシエルは、セバスチャンの注意がウリエに向いている事を良い事に、朝食を終えようとナイフを置く。

「ぼっちゃん。」
「……なんだ。」
「もう少しお食べなさい。」

この悪魔め!

とテーブルに座る二人は思う。
セバスチャンはそんな事を知ってか知らずか、テーブルの側を離れることなく、二人の監視と食後のティーを準備する。


/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp