As well be hanged for .....
第21章 良き母はふしだらに 猫は不自由に 後編
「んゃっ……」
「…ウリエ。」
「シエ、ル!」
目を閉じれば昨日の出来事が鮮明に浮かび上がる。
今日は久しぶりの晴天ではないかと思うほどに、暖かな日差し。
サンルームは日光で温められ、少し暑いくらい。
自分でもどうかしていたのではないかと思う昨夜。
一人になると、どうしてもニヤつく口元を、セバスチャンに見られないように手で無理やり押さえつける。
そろそろお昼になると言うのに一向に起きてこないウリエ。
起きているのに恥ずかしくて部屋から出られないのだろうか。
いや、彼女のずぶとい神経でそんな事はないだろう。
無理をさせ過ぎたのだろうか。
「ぼっちゃん。ご昼食ですが、いかがいたしましょう。」
「あいつの分だけでいい。僕はいらない。」
「かしこまりました。」
今日は特に不意を狙って現れるセバスチャン。
たいした用でもないのに、いちいち目の前に現れる。
しかも、ウリエの事を考えている時に限って。だ。