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As well be hanged for .....

第20章 良き母はふしだらに 猫は不自由に 前篇




ウリエはその場で、まず女王からの白い封筒を開ける。

「……ふぅん。」

切手がどこかで剥がれたのか、はたまた女王サイドが、わざわざフェンベルグのタウンハウスに投函していったのか見当がつかなかったが、どう見ても女王からの手紙だった。
内容はいつも通り簡潔で、母を解放する。と言った旨の手紙だった。

もう一つの封筒はエドガーの言った通り、報奨の小切手が入ったもので、金額は前のものと桁が違った。
今回は随分大きな仕事であったから、これぐらいは貰って当然だろう。
それから、封筒の方もよく調べ、中に入っていた形式だけの感謝状に目を通す。

「ウリエ。」
「あぁ、シエル。」

ノックのせずに入ってきたシエル。
ウリエは手を伸ばしてきたシエルに、女王からの手紙を渡す。
手紙を受け取ったシエルは、先ほどまでエドガーが座っていた彼女の向かい側のソファーに身を投げ、手紙の内容に目を通す。

「ふぅん。」

ウリエと同じ反応を返したシエル。
そこへエドガーを見送って戻ってきたセバスチャンが、ノックをしてから客間へ入ってきた。

「セバスチャン。」
「はい。」
「明日、本邸へ出掛ける。」
「はい?」

なぜ、ウリエではなくシエルがそんな命令をするのか、と首をかしげるセバスチャン。
ウリエからシエルに渡った手紙は、セバスチャンへと渡された。

「その時刻に合わせて出掛ける。支度をしておけ。」
「かしこまりました。」

手紙に書かれていたのは、母を解放する場所と日時。
その場所へ参上しろ。とは直接書いてなかったが、わざわざ場所と時間を指定して来た事を、暗に、取引に不正が無いかその目で確認しに来い。と言う事だと受け取った。
ウリエもシエルの案に賛成のようで、特に何を言うわけでもなかった。

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