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As well be hanged for .....

第18章 勝利は未熟に 死は盲目に 前篇




「あいつはきっと、ただの犬じゃないぞ。お前の家に直に出入りしていたんだ、あの場にもいなかった。トーマスの跡を追わせたセバスチャンに僕らは、アジトは見つかったか?としか聞いていない。」
「えぇ。トーマスはアジトに行った。だからセバスはアジトを見つけて来たんでしょう?きっとトーマスはへまをしたから、殺されたとかじゃないの?」
「違う。セバスチャンは、アジトはあの教会だ。としか言わなかった。トーマスが中に入ったっきり出てこなかったのか、立ち寄っただけなのか、いわなかった。僕らが聞かなかったからだ。」

ウリエはますます首を捻る。
あのセバスチャンが報告を怠るなんて事あるのかしら?と。

しかしシエルは、あの悪魔!と怒りを露わにする。
セバスチャンはあくまで執事、シエルの駒だ。
優しさや気遣いで、あぁそう言えば!と追加の情報をくれる事はない。
勝手に動くチェスの駒がないように。

乱暴にソファーを立ちあがり、肩を怒らせリビングを出て行くシエルをウリエは慌てて追いかける。
庭で洗濯ものを干していたセバスチャンの背中に、シエルが噛みつくのをちょっと離れたところから見守る。

セバスチャンはいつも少しだけウリエには距離を置いて接してくる。

シエルと自分の扱いが少し違う事には気が付いていた。
直接の執事ではないから他人行儀なのかも。と割り切っていたが、セバスチャンがシエルに見せる表情は、絶対に自分には見せない顔だ。

自分にはわからないシエルとセバスチャンの間にある、決して誰も入る事の出来ない深い繋がり。

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