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As well be hanged for .....

第18章 勝利は未熟に 死は盲目に 前篇




戦争と言うのはいつなんどきでも没発するものだ。
些細な事で、小競り合いを繰り返すのはいつもの如く。

ケーキを前に大人しく座っていた、と思えばちょっと目を離したすきに、ピーチクパーチクとみっともない戦争が始まっているのだ。
セバスチャンは呆れてものも言えない気分になるが、いつもの光景。と慣れてしまっているので、ついて出てくる言葉もいつもと違わぬものになる。

「いいですか。ぼっちゃん、お嬢様。貴方達は仮にも」
「わかったわよ!やめればいんでしょ!やめれば!」
「ふん。最初からお前が黙っていればいい話だったんだ。」
「なんですって?!あれはシエルがもうちょっと大人な対応を」
「いい加減になさってください。」

似た者同士、プライドが高い。
セバスチャンは頭を抱えるばかり。
この時ばかりは、最近ニュースで取り上げられることの多い、児童虐待をする親の気持ちが分からなくない。とため息が出る。
ただ。手が出れば、主人。という権限を目いっぱい使ってくるシエルと、剣の腕が立つウリエが、武器を引っ張ってくるのが目に見えるので、ただただイラつく気持ちを、ぎりぎりと歯ですりつぶす。

そんな顔を合わせれば喧嘩ばかりの二人でも、仲良く額を突き合わせることもある。
同じ興味を引く物があった時だ。

「シエル。女王から手紙が来たわ。」
「やっとか。」

リビングのソファーに肩を並べて座る二人。
この時ばかりがセバスチャンの唯一肩の力が抜ける時だ。
びりびりと手紙を開け、一枚の手紙を一緒に覗きこむのが視界の端に入ると、セバスチャンは静かにリビングを後にして、家事に精を出す。
これで、しばらくの間は大人しくしていてくれるだろう。

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