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As well be hanged for .....

第18章 勝利は未熟に 死は盲目に 前篇




父の死から早数週間が経とうとしている。
ボロボロの教会がフェンベルグ家に買い取られ、即座に更地にされた事は、もう世間の頭の中からポロリと落ちている事だろう。

「はぁ。死ぬって結構面倒な事なのね。」
「悪魔の私が言うのもなんですが、本当ですね。」
「セバスチャン。本当にそう思っているのか?」

ふん。とシエルが鼻で笑いながら言い放つ。

「えぇまぁ、頭では理解しているつもりです。」
「どうだか。」
「本当ですよ?」
「あぁ、わかったわかった。」

穏やかな。と言っても過言ではないくらいの日々。

悪魔へ魂を譲り渡す日が刻一刻と近づくウリエは、日に日に穏やかになり、ゆっくりと死を待つ老婆のよう。
老婆のよう。と言うのは心の中の話であり、見た目や行動の事ではないが。
本人はいたっていつも通りで、むしろシエルの手によってそれがもたらされることを望んでいるようだった。

逆にシエルは口数が少なくなり、ウリエと言う存在を無くしてしまう事に少々抵抗があるようにも見て取れる。
セバスチャンはそんなシエルの胸中を読んでか、いつにも増してシエルを子供扱いし、何でもかんでも執事として先回りをしている。

すっきりしないのは秋のぐずつく天気と悪魔の胸の内だ。

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