As well be hanged for .....
第17章 成果は舞台に 喜劇は皿に 後篇
こう何日も続けて徹夜や、夜更かしが続いているとどうしても体のサイクルが狂う。
特に人間は影響を受けやすい。
午前中だと言うのに寝巻のまま、リビングのソファーを占領し、シエルに枕を強要しているウリエ。
シエルは自分の膝を枕にすると決め込んだウリエに辟易していた。
少しでも動こうとすると、ぎゅっとズボンを掴んで動くことを否定する。
自分の手で、父親の生涯を閉じなければならなかった彼女。
落胆や放心、自責に耐えかねて泣きだすのではないか、と少しハラハラしている事は内緒だ。
だから、黙って膝を貸している。
「ぼっちゃん。お辛いならベッドに。」
「いや、いい。今日だけは許す。」
「わかりました。」
セバスチャンはクスクスと笑って、二人のいる温かなリビングを後にする。
この生活もあと少し。
指折り数えるだけの楽しい思い出の一つになりそうだ、とセバスチャンは笑う。
「馬鹿!さわるな!」
「どうしました?ぼっちゃん、お嬢様。」
「シエルの脚が痺れたんだって。つつくともっと痺れるの。」
「ほう、ちょっとやらせてください。後学のために。」
「やめろって言ってるだろうが!うわぁっ!」
(成果は舞台に 喜劇は皿に 後編)