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As well be hanged for .....

第16章 成果は舞台に 喜劇は皿に 前篇




ウリエは教会の情報を、眉をひそめながら黙って聞き入っていた。

カメラに映らず中に入るのは不可能。
中の様子が分からないまま突入するのも危険すぎる。
そう述べるセバスチャンとシエル。

「じゃぁ、もう。正面から訪問しましょう。」

あっさりとそう答えたウリエにシエルが、なんて?と聞き返してしまった。

「だから。普通に訪問しましょう。って。宣戦布告してしまっているし、トーマスには貴方達の顔も見られているわ。今更こそこそ行動したって意味無いわよ。」

ウリエはスープを飲み終え、イスにふんぞり返っている。
あっけらかんと言い切る彼女は、とても優秀な女王の番犬らしかった。

「そ、そうだな。それが一番早い。」
「今夜行くわよ。さ、色々準備しなくちゃ!セバス、手伝ってくれる?」
「あ、はい。」

よーし!とぴょんとイスから飛び降り、溌剌と笑顔を向ける。
空元気のようにも見えた。

父に会える。
もう少しで死んだと思っていた父に会う事が出来る。
どんな形であれ、どういう経緯であれ、愛していた父親の顔をもう一度見る事が出来る。
こんなに嬉しい事はない。
こんなに嬉しい事はないが、こんなに夢であればいいのにと思った事もない。

遺体の見つからない父が、どこか遠い国で細々と生きているといい。

そう願って父の墓前で涙を流したあの時の涙はまるで喜劇じゃないか。
ウリエの中には喜びと共に、怒りが湧きあがっていた。

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