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As well be hanged for .....

第16章 成果は舞台に 喜劇は皿に 前篇




美味しそうな魂に呼ばれた。これは当たりだ。とセバスチャンに嬉しそうに言った時の自分が少し恥ずかしい。

無邪気で明るい。でも、その心の奥には鉄のような心を持っている。
自分と同じ女王の番犬であった事も、理由になるのかもしれない。
凄く、惹かれた。
楽しいのだ。
彼女といる事が、彼女と喧嘩をする事が。

きっと彼女も同じだ。そう思いたい。


ウリエの事が頭にめぐり、先ほど別れたばかりのウリエの顔が見たくなった。

シエルの足は自然とウリエの部屋に向かい、もしかしたらもう起きたのではないか。とあれからまだ20分と経っていないのに起床していることに期待し、部屋に忍び込んだ。
そんな事はなく、やはりぐっすりと眠っていたウリエ。

ベッドサイドのテーブルには、大事そうに小さなクッションの上に置かれているサファイアのチョーカー。

シエルはそれを指の背でひと撫でして、まるで首輪のようだ。と言ったセバスチャンの言葉を思い出す。
あながち否定もできない。
ウリエは誰にも渡せない。たが、人間のように一緒になる事は出来ない。
だったらペットのように首輪をつけて縛り付けてしまおう。と心のどこかで思っていたのかもしれない。

すうすう。と一向に起きる気配のないウリエのベッドに体を滑り込ませ、彼女が熟睡している事をいいことに、その首筋に顔を埋め胸いっぱいに彼女の匂いを吸いこむ。
そして、彼女が起きるまでタヌキ寝入りを決め込んだ。


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