As well be hanged for .....
第15章 答えは甘美に 制裁は憧れに 後編
「お嬢様のためです!」
ふぅ、ふぅ。と荒く息をして、ようやく出てきた言葉。
「お嬢様を、悪魔から助けるためです!」
悪魔。
彼の言葉に、否応なしに笑いが漏れる三人。
彼女はもう悪魔の腕の中にあると言うのに?
「ウフフ。まぁ、一応聞いてあげるけれど。悪魔って?」
「この国の悪しき女王からです!自国民に首輪を付け、引き回し、おもちゃにして、思い通りにならなければ首を切り落とし、最後には喰ってしまう。悪魔です!」
「酷い言われようですねぇ。もう少しスマートですよ?」
悪魔のセバスチャンは、クスクスと紅い目をちらつかせて笑う。
まるで人間とは思えないセバスチャンを見て、トーマスは尻をずるずると引きずって後ずさる。
「遠回しに聞くのは嫌いよ。「義足の男」は何処にいるの?」
目の前の本物の悪魔に怯え。
ガタガタと体中を振るわせるトーマス。
恐怖に震えながらも、がちがちとかみ合わない歯を振るわせ、それだけは言えない。と忠誠心を貫く。
「質問を変えましょう。貴方は「義足の男」のなに?」
「飼い犬です!」
「飼い犬。自分で答えてしまうんだな。」
ウリエの横に並んで、怯えるトーマスを見下すシエル。
しつけの行き届いたいい犬だな。と笑う。