As well be hanged for .....
第15章 答えは甘美に 制裁は憧れに 後編
来た時と同様、セバスチャンの両腕に抱かれ、人の目につかないよう素早く、ロンドンの街中に建つ、フェンベルグ家の別邸へと戻る。
「はぁ。疲れた。」
「丁度、朝食の時間ですね。」
セバスチャンの手を借りて、真っ黒な服を解いて行くシエルとウリエ。
街はとっくの間に起きていて、ガヤガヤと煩くなり始める時刻。
シエルは、フラフラと疲れ切って眠たそうなウリエを見て、セバスチャンに、軽めのスープを用意しろ。と命じる。
セバスチャンのスープを待つ間。
だらしなくダイニングのテーブルに、うつぶせるウリエを、シエルは注意することなく、休みたいと訴える身体に鞭を打って。先ほど見て来た情報を端から端までなるべく漏らさないよう、紙に書き込んで行く。
「シエルって、そういうとこ古典的よね。」
「は?」
「PCにメモすればいいじゃない。」
「紙に書きだしている方が、よく思い出せる。」
「ふぅーん。」
聞いているのか聞いていないのか、興味のなさそうな返事を返すウリエ。
気を張っていた事もあってか、相当疲れているようだった。
軽めに。と頼んでいた、卵スープで体を温め直し、ウリエは食べ終えるとすぐ部屋に戻り、糸の切れた操り人形のようにベッドに身を沈めていた。