As well be hanged for .....
第15章 答えは甘美に 制裁は憧れに 後編
セバスチャンが辺りをじっと観察してから、ふぅ。と肩で息をする。
「もう、声を出しても大丈夫です。こちらを監視するものはなにもありません。」
「はー。自分の家なのにこんなに緊張しなくちゃいけないなんて…。」
「セバスチャン、このPC付けても平気か?」
「私に機械の事をお聞きになりますか?ですが、付けるのは少々危険だと思いますよ。」
すっかり機械オタクの道を歩いているシエルは、PCの中身が気になって仕方がないようだったが、PCを付けるな。と言われたため、他に手がかりになりそうな電子機器が無いかと細かくパントリーの中をチェックしていく。
ウリエは慣れた様子で、レシピなどが置かれている棚へ向かい、セバスチャンは職業柄故か、予備にと保存されている食器や茶器、珍しい食材に目を奪われている。
ファイルを漁っていたウリエが、見て。と声を上げる。
「女王の周辺調査の資料みたい。細かいことまで書かれているわ。」
「番犬として…と言うにはちょっと深入りし過ぎている気がするな。」
「最近の事件に関する物も多くあったわ。」
持ち出す事は危険なので、手分けしてそれらしいファイルを読み漁っていく。
手早くほとんどのファイルに目を通し。
ここにいた痕跡を消して、フェンベルグ邸を後にする。