As well be hanged for .....
第14章 答えは甘美に 制裁は憧れに 前篇
「……どうした?」
「その…」
素直にものが言えないのは一緒だな。とクスリと笑ってしまった。
その事がちょっと気に触ったのか、ムッとしてシエルを睨みつけてくる。
「なによ。」
「いいや。今日は僕もここで厄介になろう。ちょっと詰めろ。」
「んわ!」
ぐい。とウリエの肩を押しベッドに押し入る。
別に狭い訳ではない。
体の小さい二人がキングサイズのベッドに入っているのだから、狭い訳はない。
クスクスと笑い合って、シエルが手を伸ばしランプを消す。
真っ暗の部屋、温かなベッドの中、手をつなぎ二人は目を閉じる。
「ウリエ。」
「ん?」
「大丈夫だ。」
「……。」
「ゆっくり眠れ。僕はここにいる。」
「うん。」
しばらくすると気持ちよさそうな寝息が聞こえてきて、ゆっくり手を離してもうんともすんとも起きなかった。
そっと手を伸ばし、顔にかかる髪を優しく退ける。
柔らかい頬に指を滑らせ、血色が良く形のいい唇にふにふにと触れる。
「ん。」
声を漏らした彼女にビクリと指を引く。
もぞり。とちょっと体制を変えただけで、また深く眠りに戻って行った。