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As well be hanged for .....

第14章 答えは甘美に 制裁は憧れに 前篇




屋敷に戻り、自室で嬉々として作業に取り掛かるシエル。
その作業を不思議そうに見つめるウリエ。
完璧に俗な機械いじりに染まってしまったシエルは、この時代に就職すればさぞ優遇され、優秀な成果を上げる事が出来るだろう。
また、会社を立ち上げるのはどうだろうか。とも思う。

余談だが、フェンベルグ家の儲けは、ほとんどが不動産や土地代。
イギリスの一等地の土地を持っていると言うだけで、黙っていても稼ぎが出る。
おかげで本邸と別邸を美しく維持する事も、シエルとセバスチャンを居候させることも難なくできる。
ウリエはまだ16歳と若く、母が存命のため、まだ家督は継いでいないが、いずれ爵位と共に、フェンベルグ家のすべてを担うことになるだろう。

「出来たぞセバスチャン。」
「さすがです、ぼっちゃん。」

セバスチャンの世辞にも取れる褒めの言葉にも、気分を良くするシエル。
ウリエはそんなシエルにため息をつき、PCの画面に食いつくセバスチャンの後ろから、シエルの編集した映像を見て、おもちゃが好きだ。と言うシエルも侮れない。と少し口をとがらせる。

「これはまた、意外な人物ですね。」
「意外?」
「誰だ?」

画像処理を施した。とはいえ、真っ暗の画面の中に、これまた黒い何者かが蠢いているようにしか見えない映像。
拡大したからと言ってもたかが知れているような映像だ。

「間違いなく、今回の犯行も「義足の男」の犯行です。Rの欠けたロゴを身につけていましたから。」

もったいぶって遠回しにするセバスチャン。

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