As well be hanged for .....
第14章 答えは甘美に 制裁は憧れに 前篇
ウリエの治療のため家に籠っていた一週間、エドガーに逐一送らせた現場の業況と何ら変わりなく、二人が目を凝らした所で、特に新しい発見がある訳でもなかった。
「エドガーもあれで優秀なのよね。」
「ん?」
「どうしたの?シエル。」
「おい、セバスチャン!」
シエルが何かに気がつき、指を指す方向に視線を向ける。
しかし、ウリエにはバッキンガム宮殿の塀と柵しか見えない。
「あのビルの防犯カメラの映像を持ってこい。何か映っているかもしれない。」
YES。と言って消えるセバスチャン。
ウリエは何処にそんなものが?とシエルの指さしていた方向をじっと睨みつける。
「シエル。貴方とんでもなく目がいいのね。」
「人間には到底できない芸当だろうな。」
「悪魔って、便利…。」
シエルが指さしたのは数十メートル先のビル。
その屋上にあるヘリポートを写しているカメラだと言う。
セバスチャンは数分もしないうちに戻ってきて、中身を確認するために車内に戻った。
タブレットに額を寄せ、事故当時の映像を再生する。
辺りは真っ暗でホールが爆発する光が写っているぐらいだ。
「ぼっちゃん。少しそれを貸していただけませんか?」
「あぁ。」
「何か見えたの?」
「えぇ、人影でしょうか。」
後部座席に身を乗り出していたセバスチャンにタブレットを渡す。
ウリエとシエルは背もたれに体を戻し、一つ息を付く。