As well be hanged for .....
第14章 答えは甘美に 制裁は憧れに 前篇
ウリエが大けがをした、爆発事件からそろそろ2週間が経とうとしていた。
しかし、凄惨な現場で、なおかつバッキンガム宮殿の敷地内と言う事もあって、遅々として復旧作業や原因究明などが進んでいない状況であった。
くわえて、連日亡くなった人を追悼するために、金持ち連中が長々と滞在しているのも原因であった。
余波とでも言うのか、副産物とも言うのか、金持ち連中や爵位持ちの跡取り達は、自分が次の当主である!と関係各所に殴りこみに行っている事もあり、メディアはこの事件に関する出来事に目を奪われている。
同じく爵位持ちのフェンベルグ伯爵家も例外なかった。
タウンハウスの周りにはスキャンダルを嗅ぎつけようと、鼻息の荒い野次馬やレポーターが押しかけ、インターフォンに張り付いている始末。
今回の事件は、名家にとってはただの恥さらしだ。
「お出かけになられますか?」
「そうね。怪我をしてから一度も行ってないし。」
「では、ご準備を。」
そろそろ午後のおやつの時間が近くなりつつある時分。
外の野次馬も大人しくなる時間でもある。
シエルとウリエはセバスチャンの手によって出掛けの準備を済ませ、ウリエはお気に入りのサファイアのチョーカーを付ける。
胸元をしっかり隠し、足も火傷の痕が見えないように不満げにニーハイソックスを身につける。
シエルはそんなウリエに、隠して当然だ。とまた小競り合いの種を撒く。
セバスチャンが車を玄関にぴたりと付け、カメラのシャッターから二人を隠す。
アイドルでも何でもないのに、こそこそと隠れて行動しなければならないことに辟易する。