As well be hanged for .....
第13章 閑話休題 2
「あぁ。不用意にお金を渡した私が悪かったね。路地裏は大変な騒ぎだったようだ。」
イケないね。金の使い方を知らないネズミたちは。と紳士はそう言いながら、少年に真新しい良い匂いのするスーツを渡す。
「それと。これは風呂屋と床屋に行くお金だ。ドブネズミみたいに馬鹿な使い方をするものじゃない。」
「え?」
「君、私の犬になるのだろう?私は雑種を飼うつもりはないからね。見た目ぐらいは血統種になってもらわないと。」
トーマスはいつの間にか茂みから引きずり出され、紳士が自分を触った手袋と共に外に放られた。
バタン。と締められた教会の扉。
トーマスは言われた通り身綺麗にし、着た事もないスーツをなんとか着て、ポケットに彼の手袋を突っ込み、教会の扉を開いた。
「やぁ。随分と綺麗になったじゃないか。」
「…はい。」
「君は今日から僕の犬だ。ちゃんと言う事を聞きたまえ。」
「はい。……旦那さま。」
青年は犬になる。
「しかし、ネクタイの使い方すら知らんとは。」
「すみません。」
「ふぅむ。色々しつけが必要だな。」
「…すみません。」
(閑話休題 2)