As well be hanged for .....
第12章 裏切りは手に 真実は足に 後編
ウリエが自由に動き回れるようになったのは爆発から1週間後の事。
爆発事件では多くの死者を出し、イギリス国内でも大きなニュースとなった。
女王はお忍びで訪れる予定だったそうだが、体調が優れずパーティーへは行かなかったと公式発表している。
バッキンガム宮殿の周辺は今も立ち入りが禁止され、エドガー達警察が長々と調査を続けている。
そろそろ秋の気配も近づき、肌寒い日も出て来たが、まだまだ残暑は厳しそうで、胸元も足も隠していなければならなくなったウリエは、暑い暑い。と文句ばかり。
最近ではニーハイで足を隠し、短いホットパンツを履いて太ももを晒して室内では過ごしている。
シエルはそんなウリエのはしたない姿に、目のやり場に困る。と眉を寄せる。
シエルの渡したサファイアのチョーカーは、よっぽどお気に入りのようで、ウリエは毎日出掛けもしないのに、その首に付けている。
そんなある日の午後、シエルが自分の部屋にウリエを呼びつけた。
「なに?話って…。」
突然のことに怖々と部屋に入ってくるウリエ。
シエルはウリエにソファーを勧め、不安がる彼女に有無を言わせず一冊のファイルを渡した。
「僕からの調査報告だ。」
ペらり。とウリエが一ページ目を捲るのを確認して、シエルは自分のデスクに戻る。
またすぐにページが捲られ、あっと言う間にウリエはファイルに集中する。
シエルは、ウリエがファイルを読み終えるのを根気強く待ち、ぱたり。と閉じたのを見計らって話し始める。