As well be hanged for .....
第12章 裏切りは手に 真実は足に 後編
前回の事は確かにシエルの不用意な行動の所為だ。
しかし、今回は違う。
不慮の事故であったし、知らなければ事前に防ぐ事は出来なかった事だ。
「…寝ているのか?」
「えぇ。」
「わかった、後で行く。」
彼女のおかげでシエルは変わりつつある。
しかし、人間として生を受け16年しか生きていない小娘が、100年もシエルに使えて側にいる自分が、出来なかった事を成し得ようとしている事に少し嫉妬を覚える。
彼女さえいなければ、そう思う事さえある。
「ぼっちゃん。あまり遊びが過ぎますと情が移りますよ。」
「お前には関係ない。」
主の心が自分から離れていく。
一人になる事がこんなに怖い事だったのだろうか。
人間のふりを長くし過ぎたようだ。
「……まぁ、私も人の事をとやかく言えませんが。」
「何か言ったか?」
「いえ。では、失礼します。」
しかし、人間も悪くはない。