As well be hanged for .....
第11章 裏切りは手に 真実は足に 前篇
ね。
とウリエがシエルを見上げた時、会場が大きく揺れ、爆発音が響いた。
咄嗟にシエルはウリエを抱え込み、衝撃に備える。
きゃぁ!わぁ!がしゃん!と慌しくなるホール。
一体何が起こったのだろう。とシエルが顔を上げるが、爆発音が続き、立ちこめる白い煙の向こうで赤い火花が上がるのが見える。
壁は崩れ、瓦礫が飛び散る。
何度目かわからない爆発音が止まると、辺りはめちゃくちゃになっており、音は僅かにしかない。
シエルは体中に痛みや熱さを感じ、慌てて腕の中のウリエを確認する。
「ウリエっ!ウリエ!」
瓦礫やガラス片、熱い爆風。
全部自分が受け、腕の中の彼女は守りきれた。そうとばかり思った。
しかし、彼女のドレスは焼け、足は大きく火傷しており、背中や庇いきれなかった腕にはガラス片が刺さっていたり、瓦礫が当たったのか打撲もある。
「ぼっちゃん!お嬢様!」
「セバスチャン!ウリエが!」