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及川徹に抱かれたい

第3章 抗戦



「よぉ」


「!!! だ、だれですか…」


黒髪でツンツンヘアーの白いジャージを着た人が立っていた


「急に呼び止めてわりぃ、及川の幼馴染の岩泉だ」

「あ、岩ちゃん先輩ですか…?」
「はじめまして、です」
「トオル先輩からお話は聞いたことがあります」

「その…及川に頼まれて来たんだが」
「身体は大丈夫なのか?」

「あ、えっと。動くと少しだけ痛みますが」
「意外と平気です」

「フンッ、あんた根性あんな」

嬉しそうに言い張る岩ちゃん先輩…

「ところでトオル先輩は…?」

「あー…その、なんだ」
「あんたが倒れたのを聞いて駆けつけたものの」
「面接遮断で…ショックのあまり部活中に」
「ボールで顔面強打。めんどくせぇから帰らせた」

「え!?大丈夫なんですか!?」
「脳しんとうとか…」

「あんたに比べたら屁でもねぇよ」
「さ、帰るぞ。家まで送る」

「へ!?」


岩ちゃん先輩がさりげなく歩き出す…
わたしは訳がわからず色々聞いたが
なんだか曖昧に誤魔化されているような気がして
話せないことがあるんだと勘付いた

さっさと教室に荷物を取りに行くが
もう放課後でほとんどの生徒が残っていなかった

荷物を持って廊下に出ると岩ちゃん先輩は
男らしく手を出し、荷物を持ってくれた

教科書とか入ってないわたしの荷物を
「軽りぃな。まったく置き勉かよ」とブツブツ
言っていたけれど

わたしはトオル先輩が気になって
ほとんど耳に入ってこなかった





「もう、そこなんで大丈夫ですっ!」
「ほんとにありがとうございました」

「あと、トオル先輩に連絡してもいいと思いますか…?」

もしかして、これを機にトオル先輩がわたしを嫌いになったり
トオル先輩が責任を感じて離れていったり
もう一緒にいられなくなるんじゃないかって…
不安でたまらなかった

「……ああ、してやったら喜ぶんじゃねー?」
「…なんかあったら、俺も呼べ」
「ほら、携帯貸せ」

「…….はい」と携帯を差し出し
もうひとつ気になっていたことを聞く

「岩ちゃん先輩…わたし……わたし…」
「嫌われちゃったのかな」

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