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及川徹に抱かれたい

第4章 密会



電話を切ってから、せっせと家をピカピカにする

「あ、お茶なに出そう…」
「緑茶飲めるかな…」むぅ…


ピルル……


{ちゃん☆ついたよ〜!}


(トオル先輩だ!)
{はいー!}


玄関ドアに向かう途中、廊下にある鏡で
髪型をチェックする

アザは大袈裟に見えないように
最小限の湿布に貼り替えた

まだ、少し顔は赤いけど
それでも会いたい気持ちの方が勝った


ガチャ


「遅くにごめんね〜☆」
「大丈夫?やっぱり腫れてるね…」

そういって、わたしの頬に手を添える


ドキッ


「ごめんね、怖かったよね」
「痛かったよね」


ふるふると首を振る
(大丈夫、今こうして先輩に会えたんだもん)

涙が勝手に出てくる
先輩の前では泣かないって決めてたのに

「ごめんね…」

「ちがうんです…会えたのが嬉しくて…」
「…これは嬉し涙なんですよ」ニコッ

先輩にありったけの笑顔を見せる


ギュッ


視界が真っ暗になる


(……先輩の匂いがする)
(走ってきてくれたのかな?)
(少しだけ息が荒い…)
(いつもの匂いに少し汗の匂いが混じってる)


「、ごめんね」
「守ってあげられなくて」
「俺のせいで、こんな目にあわせちゃって」



(……先輩、少し声震えてる)



「そんなことないです」
「今こうして守ってくれてるじゃないですか」


「……」


ギュッ
さらに強く抱き締められる

そして、先輩の手が私の肩に触れ
少し離れて お互いの顔が見える


「俺、が好きだよ」
「だから次こそ、ちゃんと守らせて欲しい」





「わ…わたしも……トオル先輩のことが」
「………………す、好きなんだと思います…」


バクバクバクバク
鼓動が高鳴る

(先輩に音…聞こえちゃう…)


「ふふっ、思いますってなに?」
「相変わらずはかわいいなぁ」


「俺がの初めて告白した人になるね」


柔らかい笑顔の先輩は小さく「おいで」と呟いて
わたしはまた先輩の腕の中に入る


(なんだか、落ち着く…)
(……あ、先輩の心臓もドクドク言ってる)


2人の心臓の音が重なる

鼓動の音が愛しい
先輩の温もりで心が満たされる
もっと…….もっと…
先輩でいっぱいになってしまえばいい




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