第7章 黒き刃
「おいおいなんだァ?怖い顔してるな。来いよガキ共!遊んでやるぜ!!」
安い挑発だ
しかし、風間さんを倒した…この強い男には然るべき報いを受けさせねば私の気が済まない
『士郎、遼…一瞬でいいからそいつの気を引いて。トリガー変える』
『分かってるよ』
今まさに動こうとしたとき、通信が入った
『三人とも、引け。アタッカー用トリガーはそいつと相性が悪い…それにそいつが琥珀のトリガーを変えている間待っているとは考えにくい』
『でも伝達供給器官を一気に叩けば…』
そう言ってみたが、風間さんがやられたよく分からない攻撃の事もあり引いた方が無駄死にしないと言われてしまった
『むかつくんですよコイツ…それにこのままだと引き下がれないでしょ?』
『諏訪隊の笹森は…お前らより聞き分けがあったぞ』
そう言われると、反論などできなかった
笹森に無駄死にするなと言ったのは他でもない…私達だったからだ
『わかりました…でも、二人が離脱するまで私が相手をさせてください』
『はぁ?務まんの?』
『ブラックトリガーを使います、いいですよね?風間さん』
カメレオンを使って見つかったら、それこそ手も足も出ない…手数の多い私の黒トリガーなら二人を逃がす事も、自分が離脱することもできるだろう
『…分かった、絶対にやられるな』
『了解!』
そういうと、目の前の男を見る
私達を完全に舐めているようで、私達がどう出るのか待っている状態だ
「…トリガーオフ」
私服になると、相手は少し動揺した
「なんだ?降参ってやつか?俺はそんなんじゃやめねぇぞ?」
「貴方はそのブラックトリガー気に入ってるみたいね……私も、このトリガー気に入っているの」
フッと笑い、耳についている薔薇のピアスを触る
両隣にいる二人と目を合わせ、合図を出して叫ぶ
「トリガーオン!!」