第7章 黒き刃
「あーめんどくせぇ!!雑魚に付き合うのはもう終わりだ!!」
角男はそう叫ぶと、背中から一気に何本も私達の元へ突き刺す
…隙ができた!
『歌歩ちゃん、私の支援今すぐ切って』
『了解』
いつもの聴覚に戻ると、敵の攻撃を目で見切って避けていく
他二人は耳と自分の目を使って、武器を使いつつ避けているようだ。士郎は片腕を吹っ飛ばされているがこの際目を瞑ろう
残りの一人…風間さんは、この隙をつく予定だったらしい。思いきり後ろから敵の首を落とした
「はい、終わり」
士郎がそう言うと、空中を舞っていたその頭は黒い液体となり体に戻っていった
「うわ…なにあれ気持ち悪…」
風間隊のメンバーは全員、武器が液状化すると考えていた
だが、敵の方が上手だったらしい…体全体が液状化する能力だったなんて!
「体全体が液体になれんのか、って思っただろ…残念。ハズレだ」
敵が背後の風間さんを見ながら不適な笑みを浮かべると、風間さんは突然苦しそうな顔をした
そして、風間さんの周りに薄いモヤのようなものがかかったように見えた
一体なんだろう?と見た時だ
風間さんは吐血をするようにトリオンを吐き出したのだ
「風間さん!?」
「あーあ、このやり方好きじゃねェんだよな。いまいちスカッとしねぇ」
この状況は風間さんも予測していなかったらしい、色が驚き一色だ
風間さんは攻撃を食らっていない…一体どこから傷を負わせたんだろうか
彼もそう思ったようで、歌歩ちゃんに聞くと恐ろしい情報が返ってきた
『分かりません…ですが風間さんの内部に敵のブレードが派生しています!』
「三人が囮になっている間に一人が回りこんで倒す…頑張ったなぁ?工夫したなぁ?たくさん練習したんだろうなァ?……だが残念、俺はブラックトリガーなんでなァ!」
嫌味ったらしい言葉を吐いた角男は、風間さんの内部にあるブレードを使い、風間さんの胸部を貫いた
苦しそうな顔をした風間さんは、緊急脱出しいなくなる
誰も予想していなかった、想像していなかった
この誰も考えていない流れに驚き、動きを止めていた
「一瞬でも俺に勝てるとでも思ったか…雑魚チビが」
そう言い放たれた直後、本部から風間さんが緊急脱出したとの連絡が入った