第7章 黒き刃
「俺がトリガー起動するのを待つとでも思ったか!?」
私がトリガーを起動すると同時に、黒いトゲを私の首めがけて突き刺してくる
相手が待つなんて私も思ってはいない
起動すると同時に盾を出現させ、私の首を守る
「お前…ブラックトリガー使いだったのか……」
土煙が晴れ、私の姿を見た角男は驚いた顔をした後、心底楽しそうな悪人顔を見せてきた
「おもしれぇ…こてんぱんにしてやるぜ!」
私の遊真の隊服のような恰好を見て、自分とタイプの違う黒トリガーだと思ったのだろう。手数を増やしてきた
勢いで押し切ろうと思っているのだろう、それも想定内だ
「『干将・莫耶』」
名前を呼べば、私の両手に少し大振りな双剣が握られる
その剣で私に当たりそうなトゲを切り裂いていくと、角男は驚いた後イラついた表情をした
「俺のトリガーを斬るたァちっとはやるじゃねぇか」
「そういう貴方は馬鹿の一つ覚えみたいで分かりやすいね、見え見えだよ」
「ア゛?チビのガキがよく言うじゃねぇか…よォ!!」
軽く挑発をすれば色んな角度から一斉に串刺しにしようと攻撃をしてきたが、私の目と双剣で薙ぎ払う
…でもこれじゃあスコーピオンと何も変わらない、あと一歩踏み出したいけど……
「おいおい、さっきのチビにした攻撃にビビって近づいてこないとかじゃあねぇよな?そんな避けてるだけのガキと遊ぶ程俺は優しくねぇんだよ」
そう、さっき風間さんがやられた攻撃。あれの原因が分からない中迂闊に近寄れないのも事実
中距離の武器に変えるのも手だが、銃などで相手がひるむとも思えない
それに液体になれるのだから、ダメージはないだろう
しかし、幸いな事に士郎と遼は本部の方へと退く事ができたようだ…そろそろ退散する準備をしなければ
「…チッ、後で絶対にぶっ殺す。『煙玉』」
双剣を仕舞い、煙玉を取り出し角男の目の前で煙を噴出させる
「くそっ見えねぇ!!逃げんじゃねぇぞコラ!!」
視界を遮ると、自分の目を頼りに廃ビルから抜け出しできるだけ遠くへと逃げる
『風間さん、足止め終えました。指示をお願いします』