第7章 黒き刃
「チッガキばっかかよ…ハズレだな」
登場して早々に私達の事をガキ扱いして、ハズレとまで言われた…これから予測するに他にも人型が出現している事で間違いないだろう
「うわぁ…人型来ましたよ、風間さん」
「しかも黒い角…俺達は当たりらしい。琥珀、お前が視たのはこいつの事か?」
「は、はい…他にも何人かいましたけど……確かにいました」
「じゃあ琥珀は未来予知でもしたっていうのか?迅さんみたいに?」
人型が来た事により緊張感が漂う私達の顔をそれぞれ見る黒い角の人型
そして格下と思われたらしく、鼻で笑われた
素直にむかつく
「どっからどう見てもクソガキだが…ラービット殺すだけの腕はあるようだな?頑張ってくれよぉオイ」
同じビルの屋上にやってきた敵に対応するために、仲間内で通信をする
『ブラックトリガーか…どんなタイプが問題だが…』
『天羽みたいなパワータイプか、迅さんみたいな絡めてから来るタイプか…琥珀みたいに攻撃が多様化するタイプか…』
『迅さんタイプでしょ…性格悪そうだし』
『それは確かに同意。笑ってるよあいつ、ムカつく』
目の前のそいつはニヤニヤと明らかにどうやってなぶり倒すか考えている顔をしている
そのとき、敵の右足が少し溶けた
『士郎、アイツの足が少し溶けて地面潜った』
『分かってるよ、聞こえる…』
「下です」
そう言われると同時に全員で飛び上がり何かから避ける
すると、地面から黒くとがった塊が飛び出てきたのだ
「…なるほど、こういうタイプか。三上、菊池原の耳をリンクさせろ」
『了解です』
えぇーと嫌がる士郎を放置し、全員で士郎の耳をリンクする
「頼むぞー?お前のサイドエフェクトが頼りだ」
「琥珀の目でもいいじゃん」
「私のは共有できないじゃん、全員しばらく目が使い物にならなくなったでしょー?」
「あんなに全部がハッキリ見える景色見せられたら目がやられるよ…」
以前私の視覚を共有したとき、風間さんでさえ数分目が使い物にならなかったのだ
それから士郎の聴覚だけ共有するというのが風間隊の暗黙の了解になっている
文句を言いつつも髪を結ぶ彼を見て、本気モードになったのを確認した
「これ、疲れるから嫌なんだけど」