第7章 黒き刃
諏訪隊の二人と合流し、諏訪さんを渡す
笹森はやはり自分のミスでの諏訪さんがキューブになった事についてショックを受けていた、しかし先程の風間さん達の言葉が効いていたのか目は前を向いていた
「諏訪を本部のエンジニアのところまで頼んだぞ、俺達は他の新型を倒しに行く」
「「了解!!」」
元気に返事をした笹森と堤さんは本部へと走り出した
「さて…私達も新型ちゃっちゃと倒していきますか!」
「琥珀が仕切らないでくれない?なんかムカつく」
「理不尽!?」
そんな風にふざけながら、新しい新型の元へと駆けていった
その最中、新型の狙いは隊員…それもC級隊員の捕獲を狙いとしている事が判明した
そしてそれが分かると同時に、木虎ちゃんが新型に捕まったとの報告を受けた
「木虎ちゃんが負けた…亜種でもいたんですかね?慎重な彼女に限って通常型に負けないでしょ」
「確かに他のタイプがいても不思議ではない、気を引き締めていくぞ」
「奴等の狙いは敵の分断…全員で動けば問題ないです」
「それにしても、さっき視たって言ってた会議してるっていうやつはどうなったの?」
「それが…よく分からないんだよね。角ついた人達がモニターで私の事見てたってだけなんだけど…」
「確かに琥珀のサイドエフェクトと照らし合わせても不可解な点が多い、お前にそんな能力があったとは報告を受けていない」
私のサイドエフェクト、強化視覚は遠くまで見たりわずかな彩度や物体の動きを見逃さない能力だ
迅さんみたいな超能力じみたものは持っていない…はずなのだ
新型を倒し終え、四人で少し私の視た映像について考えるが勿論答えは出てこなかった
「角の生えた人間…まさかとは思うが―――」
風間さんが何かを考えついたようで、それを声に紡ぎだしたとき、視界の端で僅かに空間が歪んだ感じがしたので武器を手に取りその一点を見つめる
風間さん達もそれに気づき、警戒体勢に入った
案の定そこにはゲートのようなものができており、中から黒い角の生えた目つきの悪い男が黒い闇の中から出てきたのだった
今、私は目を見開いて驚いた顔をしていると思う
なぜならそれはまるで…映像の中で視たソレと同じ人だったのだから