第6章 真昼の夜
すぐに風間さんが本部へと諏訪さんが食べられた事を報告し、救出することを伝えた
「うわ…こっち見てる、気持ちわる」
「そう?兎みたいでマシな方じゃない?」
「部屋にあれ置いたら可愛いとか思うわけ?」
「それはない、気持ち悪いし怖いわ」
新型を見つめて士郎と二人で話していると、笹森が悔しそうに口を開いた
「風間さん、俺もやります。俺がやられたせいで諏訪さんが…!」
「日佐人…」
「俺達がやると言った筈だぞ。アタッカーの連携はガンナーよりシビアだ、慣れない奴が入ると逆に戦闘力が落ちる」
「でも…このままじゃ引き下がれないです」
「なら勝手に突っ込んで死ね、それでお前の役目は終わりだ」
「ひっこんでなよ、弱いんだから」
次々と厳しい言葉を浴びせる風間隊
諏訪さんをより早く救出するためでもあるが、それ以上に他の事に気を取られている笹森を得体の知れない敵に向かわせる事が危険すぎるのだ
すると、すかさず遼がフォローに入る
「お前は堤さんと他のトリオン兵を追ってくれ」
「諏訪さんは任せて、笹森。その代わり…他のトリオン兵は笹森に任せる!」
「…了解っ」
笹森が了承した所で、歌歩ちゃんが区画マップを視界に表示してくれる
物凄い敵の量に、不安と力を試せる期待で作り物の体がドクドクと血液を回した
「敵の数が多い、片づけてすぐ次へ行くぞ」
「「了解!!」」
「琥珀、周りに異変があったらすぐに知らせろ。新型の"色"も覚えろ」
「もう覚えました…見た感じ、腕は確実に硬いです。それに…こいつのトリオン量、すごいと思いますよ」
「そうか、菊地原」
「分かってますよ」
そう言って、耳元を触る士郎は既に敵の弱点を聞き分けるつもりだったらしい
「ならいい、行くぞ」
「「了解!」」
ビルから飛び降り、新型と向き合う
目の意識を集中させれば、新型の色と他にうっすらと頼もしい諏訪さんの色が見えた
…絶対に諏訪さんは生きている