第6章 真昼の夜
数体倒しながら、合流ポイントへと急いでいる途中…
諏訪隊が何かのトリオン兵にかなり手こずっているような様子が地図上に浮かび上がった
「諏訪隊が新型と交戦しているっぽいですね」
「あぁ…向かうぞ」
「確かに、B級だけじゃ手に負えなさそうですよねぇ」
「ほら行くぞ」
急いで諏訪隊の元へと向かう
しかし、その道すらも敵が阻んでくるのだ
「あーもう!邪魔!」
一気に弱点の目玉のようなところを壊していくと、遼が焦るなと制してきた
「でも急がないと諏訪さん達が!」
「琥珀、お前が冷静さを欠くことで隊員が失われる可能性が増える。お前は冷静になれば強い…言いたい事はわかるな?」
「…ごめんなさい、落ち着きました」
冷静になるために一つ深呼吸をいれると、先程より周りが見えた
目の前には壊れたトリオン兵の山
隣には同じ隊服を着た風間隊
そして諏訪隊がいるであろう方角
「行きましょう、諏訪隊が待ってます」
「僕らは琥珀を待ってたんだけどね」
「う…ほら行くよ!風間さんも行きましょう!」
「あぁ、急ごう」
急いで走り抜けると、ちょうど諏訪さんが見たことのないトリオン兵のお腹の中に詰め込まれているところだった
…間に合わなかったのだ
「あ…堤さん達が」
「行くぞ」
例の新型が堤さん達に襲い掛かる直前、遼と士郎が飛び出した
土煙があがる中、二人が私達のいたビルの屋上へと二人を連れてくる
「あれが新型?意外にちっちゃいね」
その士郎の声に、堤さんは助かった事を理解したのだろう
私達の事を見上げて驚いていた
「舐めてかかるなよ、見た目より手強いぞ」
「わかってますよ、すぐ退場はもうこりごりだ」
「あれは本当傑作だったよねぇー」
クスクス笑っていると、風間さんが堤さんに向かって言い切った
「下がっていろ諏訪隊、この新型は俺達がやる」
そう言い切る私の憧れの隊長は、相変わらず眉一つ動かさずその敵を見つめていた