第6章 真昼の夜
朝が来ると、直接ボーダー本部へと足を運ぶ
今日、風間隊は一日勤務なのでずっと本部にいることになるだろう
「おはようございまーす」
「おはよう、琥珀ちゃん」
「おはよう」
「お早う、朝から元気そうでなによりだ。早速任務に入るぞ」
相変わらずの風間隊のマイペースな雰囲気にホッとして、任務に入った
午前の任務が終わり、本部内を歩く
「昼ゴハンおいしかったー!」
「すごい量食べてたな…」
「絶対すぐにトリオン体との差がひどくなるよ」
「なんて事言うの!?そこまでひどくないでしょ!」
他愛のない会話をしていると、本部内に大きな警報が鳴った
これはゲートが開く音だ
「ゲート発生、ゲート発生。大規模なゲートの発生が確認されました。警戒区域付近の皆さまはただちに避難してください。繰り返します…」
街中にも響く警報に、一瞬にして緩んでいた表情が消える
これは間違いなく……大規模侵攻ってやつだ
「風間さん」
「あぁ…行くぞ、俺達は俺達の仕事をする。琥珀、お前は人型ネイバーが来るまで通常トリガーで戦え、戦い方は任せる」
「了解です!」
「三上、警報は聞いたな?これからそのまま現地へと向かう。忍田さん達の命令を全て伝えろ。情報戦はお前にかかっている」
『お任せください、気を付けて』
そのまま本部の外へと出ていくと、その場はあの日と同じような状態になっていた
どこを見ても、様々な種類のトリオン兵がはびこっていた
歌歩ちゃんが地図を視界支援で載せてくれると、全員がゴクリと唾を飲み込んだ
とてつもない数だ…そのうえ、集団を形成して区域外へと向かっているようにも見える
「俺達は東地区担当だ。諏訪隊もそろそろ着くようだ…急ぐぞ」
「「了解」」
現着した直後に忍田本部長から全隊員へと連絡がきた
各地区の隊員はまず、合流を最優先事項とすること
C級隊員も一般市民の避難誘導に加わっているが、まだ避難には時間がかかるということ
そして…4年半前よりも大きな規模が予想されるということ
「…絶対に、阻止する」
「あぁ、行くぞ」
私達は近くにいるトリオン兵をなぎ倒しながら合流ポイントを目指し、走りだした