第2章 目覚め
再び風間さんと太刀川さんの攻撃が始まると、三人で後ろを囲む
一斉にスコーピオンで飛びかかると、スコーピオンの特徴でもある隙間に剣を通してきた
私は咄嗟に剣を離し、新しく出したスコーピオンで斬りかかるが二人は一歩遅く再び浅い傷を負う
「これだから迅さんとスコーピオンで戦うの嫌なんだよねぇ、!!」
「琥珀ちゃんと戦うの、俺も嫌だなぁ」
剣を受け流されるのと同時に、私のお尻にぬくもりを感じた
「な、なな…!!」
「相変わらずいいお尻してるねぇ」
わきわきと触った手を動かす迅さんを見て、殺意が芽生える
「風間さん!こいつは殺しましょう!!跡形もなく確実に!!」
「落ち着け、集中が切れてるぞ」
「あう…ごめんなさい」
目の力も緩めるほどに驚き、怒っていた私の乱れたペースを一喝するだけで取り戻させる風間さんはさすがだ
すぐに風間さんと太刀川さんは逃げ腰の迅さんの目的を考え、導く
風間さん曰く、私達をトリオン切れにしてベイルアウトさせる事らしい
それを受けて士郎は再び玉狛に直接向かうことを提案する
すると風間さんは、迅さんが逃げる理由を無くす事ができる、と考えた
「玉狛に向かうぞ」
そう言い放った瞬間、迅さんを取り巻く色が変わった
「迅さんの色が変わった、気を付けてください」
「やれやれ…やっぱりこうなるか」
そう言った瞬間、緑色の光の帯がゆらゆらと剣に纏わりつく
…風刃だ
すぐに体制を立て直そうとする私達に対し、すぐさま一発風刃を放つと士郎の首が飛んだ
「…さっきまでさんざん馬鹿にしたのはどこのどいつだっての」
士郎がベイルアウトすると、風間さんに指示を仰ぐ
「風間さん、黒トリガー起動しますか?」
「判断はお前に任せる」
「了解です!トリガーオフ!」
私は木崎さんに次ぐ二人目の完全万能手だ
戦場でどんな武器が適正なのかわからないので、特別に本部から複数の通常トリガーを所持している
「トリガーオン!」
再び起動したトリガーは黒トリガーではなく、シューター用トリガーだ
「援護します、出水さんみたいにはいきませんけど…」
「十分だ、頼むぞ」