第5章 月光
セーターを捲り上げられ、無数に散らばった赤い痕一つ一つを確かめるように、音を立てながらキスを落とされ、その度に俺の身体は小さく跳ね上がる。
「はぁっ…擽っ…た…いよ…」
「そ? 俺にはそうは見えないけど?」
悪戯っぽく笑い、冷えた指先が胸の突起を掠めた。
「あっ…ぁ…」
一方を指先で弄られ、もう一方を唇で吸われると、全身に甘い刺激が走る。
「やっ…それ、やぁ…」
まるで自分の声とは思えない、吐息混じりの甘い声に、堪らず顔を両手で隠した。
身体の中心に熱が集中するのが分かる。
「感じてるの?」
耳元で囁かれ、俺は無言で首を横に振った。
「か…んじ…てなんか…な…い…」
感じてないわけじゃない…
感じてるのと思われるのが、恥ずかしかった。
潤が片手でベルトをカチャカチャと器用に外し、スルッと抜き取った。
デニムの上から敏感な部分を緩々撫でられ、言葉とは裏腹に身体はそれ以上の刺激を求めてしまう。
我慢出来ない身体は、潤の手に押し付ける様に自分から腰を浮かせた。
「ね、も、苦し…」
うん、と小さく頷いて潤の手がデニムのファスナーを降ろした。
下着の上から形をなぞるように触れられ、そこは一気に昂っていく。
「ココ、濡れてるね?」
言いながら下着を下ろされ、外気に晒されたそこを、潤の手が握り込んだ。