• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第4章 G線上のアリア


暫くの沈黙の後、翔ちゃんが口を開いた。

「…智くんと付き合ってるらしい」

「はぁ?なにそれ。なんで潤と大野さんが付き合ってるなんて話に…?」

思わず大きな声が出てしまい、慌てて手で口を塞いだ。

「誰から聞いたのよ、その話…」

頻繁にではなくても、大野さんとはそれなりに連絡を取っていたけど、そんな話は聞いたことがない。

勿論、まーくんからも聞いたことがない。

第一本当に付き合ってるなら、恋人に対してこんな仕打ちはしないだろうし…

「潤に会ったんだ。同窓会の事で用があってね…。
その時潤から直接聞いたんだ」

なんだよそれ…
もう怒りすら湧いてこない。

「まぁ、俺も結婚する訳だし…」

「翔ちゃん、本当に結婚すんの?」

「するよ? 寧ろしなきゃまずいじゃん、親の決めた相手だし」

それでいいの?
本当に翔ちゃんはそれでいいの?

翔ちゃん誤解してる。

二人は付き合ってなんかない。
大野さんは今でも翔ちゃんだけを思ってるよ?

でもそんなこと今の俺には言えなくて、

「そっか…。大変だな、お坊ちゃまも…」

なんて嫌味ったらしい言葉を吐くことしか出来なかった。
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp